Wi-Fiで使われる周波数は?
Wi-Fiで使われる周波数は、2.4GHz帯と5GHz帯があります。
(将来的に他の周波数帯が使われる可能性もありますが、まだ先でしょう)
一般に、2.4GHz帯のほうが混みあっている上に、Wi-Fi以外にもBluetoothとか
Zigbeeとか他の方式もこの2.4GHz帯で使われており、さらに電子レンジの影響も受けるなどで2.4GHz帯では通信が不安定になるとか、接続しずらくなるということが起こる恐れが常にあります。
一方5GHz帯は、そういう問題は少ないことは前から分かっていて、それでも使われなかったのはあまり5GHz帯対応の無線LANチップ、モジュールが数年前までは少なかったからですが、最近は5GHZ対応が当たり前になってきました。
であれば、5GHz帯のほうに、みな移行すればいいのではないか?と思うかもしれませんが、いまだに2.4GHzを使う割合のほうが多いです。その理由は、5GHzのほうが2.4GHzに比べて飛ばないのです。
その理由を出来るだけ簡単に説明したいと思います。
5GHzが2.4GHzに比べて飛ばない理由
1.電波(無線)は、周波数が高くなればなるほど、減衰しやすい特性があります。
電波は理想状態だと距離と周波数の二乗に比例して減衰する原理です。
距離が2倍になると信号は1/4に減衰します。また周波数が2倍になると信号は1/4に減衰します。見通し距離のことを電波工学においては、自由空間といいますが、この自由空間基本伝搬損失の計算式と周波数が2.4GHzのときの距離に対する損失のグラフの例を示します。図の右に書かれている式が波長(=周波数の逆数)や距離から求めた損失の式ですが、周波数が高い=波長が短くなればなるほど損失が大きくなる、かつ距離が遠ければ遠いほど損失が大きくなることがわかります。
出典:IBSJapan 技術情報 初歩の電波 https://www.ibsjapan.co.jp/tech/details/elementary-electric-wave/eewave-04-13.html
2.電波(無線)は、周波数が高くなればなるほど、光に近づき、障害物があったときに電波が回り込まなくなります。
無線LANで使用している2.4GHzは、今でも使用されている特定小電力の900MHz帯などに比べると高周波=波長が短くなると”光”の性質に近くなり、導体などの物体がある場合の電波が吸収されて、外に回りこみにくくなります。
そのイメージ図を以下に記します。
電波関連の用語で申すと、周波数が高くなると、回折しにくくなります。平たく申せば電波が回り込まなくなるのです。
さらに1で述べたように周波数が高いほど減衰は大きくなります。この例だと、2.4GHzの場合、プラントの影響を受けて、10m離れるだけで繋がらないという状況になっています。
2.4GHzでこのように電波が回り込まなくなっていることがわかりますから、さらにそれが約2倍の周波数の5GHzになるとさらに回り込まなくなることは明らかであり、どうなるかというとちょっとした障害物があると5GHzだと飛ばなくなるという問題が
起きやすくなります。
でも5GHz帯は、モバイルWi-FiルータのWi-Fiで最適と言えます!
このように5GHzはあまり飛ばない、障害物があるとさらに飛ばないという問題がありますが、所謂モバイルWi-Fiルータでのパソコンや、スマホとの間の通信のためのWi-Fiとしては5GHzは最適と言えます。
理由としては、モバイルWi-Fiルータとして使用する場合は、ほとんどのケースで、
モバイルWi-Fiルータとパソコンやスマホの距離が近い場合が多いからです。
ただし、モバイルWi-Fiルータを 家の中とかオフィスの中でも多用して、それを家族中で使うといった用途の場合に、5GHzが飛ばないことは十分考慮する必要があります。
最近のモバイルWi-Fiルータの中には、2.4GHz帯と5GHz帯と同時に電波を出しているものもありますので、そういうルータの場合は、場所によって2.4GHzと5GHzを使い分けるとかを考えるほうが良いかもしれません。