Wi-Fiで今後注目すべきは802.11ax=Wi-Fi6 その標準化動向と製品の紹介

Wi-Fi

Wi-Fi 無線LANは、1997年に最初の標準規格が出来て以来、進歩に進歩を重ね、
20年以上経過しました。その間、様々な新しい規格が出来て、規格が出来るたびに
通信速度が速くなり、今や20年前と比べて通信速度は1000倍以上が当たり前となっています。

その中で、2020年以降注目される規格として、IEEE802.11axというのがあります。
ここでは、802.11ax、別名Wi-Fi6とも言いますが、その標準化動向と実際の製品について紹介していきます。

IEEE802.11axとは?

IEEE802.11axは2019年に新たに制定された規格です。IEEEとは、Institute of Electrical and Electronics Engineersの略で、米国が拠点の電気・電子・情報工学関連の学術研究団体で様々な技術標準化を図る機関です。

802.とは、1980年2月に制定されたLAN(ローカルエリアネットワーク)に関する規格のことを指し、さらに.11が1997年に初めて制定された無線LANの規格のことを指します。そして、11の後ろに様々なサブ規格が制定されてきました。

IEEE802.11axは、最新の無線LAN規格です。

Wi-Fi6とは?

Wi-Fi6というのはIEEEという学術研究団体兼技術標準化機関とは別に無線LANの業界の中の集まりであるWi-Fiアライアンスが定めた名称です。

もともとWi-FiアライアンスのWi-Fiというのもここのアライアンスの名称そのものの造語であり、この20年間の間に、元々の無線LAN、ワイヤレスLANという言葉の代わりにWi-Fiという名前が世の中に浸透するまでになりました。

そのWi-Fiの後ろに6をつけて、最新の無線LANの規格の名称として、Wi-Fiアライアンスがこの名前を広めています。IEEEでいうと、これがIEEE802.11axに相当しますので、
Wi-Fi6 イコール IEEE802.11axなのです。

今後Wi-Fi6という言葉がさらに広まっていくかは注目したいところです。現状は、802.11axとWi-Fi6が同時に使われていて、認知度も同じくらいに感じますが一般には徐々にWi-Fi6という名前が行き渡りつつあります。

なお、Wi-Fi6があるということは、5や4もあるのでは?と思いますよね?実際あります。Wi-Fi5が、現在相当浸透して製品にもなっているIEEE802.11ac(5GHz)に相当します。ひとつ前の数字として、Wi-Fi4が、さらに普及しているといえるIEEE802.11n(2.4GHzと5GHz)に相当します。

ただし、これらのWi-Fi5,Wi-Fi6は、最近名付けられた名称であり、既に802.11nや
802.11acの製品が出回っている状況を考えると、あまり名前が浸透することはないと
考えれます。さらにWi-Fi3以前はさらに浸透しないと思いますが、参考まで記すと、

Wi-Fi3が、802.11g、Wi-Fi2が、802.11a/b、Wi-Fi1が802.11に相当すると考えられれます。従いまして、Wi-Fiの後ろに数字が付く名称として今後広まるのはWi-Fi6以降になるでしょう。

Wi-Fi6=IEEE802.11axの特長とは?

一番の特長は、最大通信速度が今までで最高であることです。(実際この20年は新しい規格が出来るたびに最大通信速度は更新されているのですが。。)最大通信速度は理論値で9.6Gbpsです。

ひとつ前の規格というと、先にも触れたIEEE802.11ac=Wi-Fi5になりますが、その最大通信速度は6.9Gbpsと言われていますので、あれ、あまり進化していないのでは?と思われるかもしれませんが、

こういった理論値よりも、実際にパソコン、タブレット端末、スマホ等で使用するときの実効スピードというのが、Wi-Fi6は、Wi-Fi5の4倍くらいと言われていますので、
サクサク動く感覚は実動作で味わえると思います。

Wi-Fi6は5GHzだけでなく、2.4GHzも対応

ひとつ前のWi-Fi5=IEEE802.11acは5GHzのみの対応であり、2.4GHzにおいては
さらにひとつ前の規格であるWiFi4=802.11nが一番早い規格でした。それに対してWi-Fi6は2.4GHzにも対応しています。

同時接続台数が今までの4台の倍の8台になりました

Wi-Fi6では一つのWi-Fiルータ=アクセスポイントに同時接続できる端末=パソコン、タブレット端末、スマホ等が今までの4台の倍の8台になりました。それを実現した技術が MU-MIMO(マルチユーザMIMO)というものであり、かんたんに言えば、複数のアンテナを持つことによって同時接続台数の増加を実現しています。

かつ同時接続されているときでも通信速度があまり落ちないような規格になっています。

さらに消費電力が少ない!

ターゲットウエイクタイムという新たな技術によって、Wi-Fiでの無線通信をしているときの消費電力が今までよりも少なくなっています。

Wi-Fi6は 5Gとマッチングします!

無線技術の進歩という一般の流れからすると当たり前と言えるのですが、ちょうどWi-Fi6が出てきたタイミングが、携帯電話においては5Gのスタートとほぼ同期します。

5Gのコンセプトのひとつも4G以上の高速通信であり、そのスピードは大体1Gbps以上になるので、スピードの面でも5GとWi-Fi6が互角になります。

そうなると、スマホ等を使っている場合も、家の中や公衆無線LANがある場所では
携帯電話の波でなくWi-Fiを使っても、5Gと同じくらいのスピード間でのデータ通信が
可能となりますし、別の使い方としては、パソコン、スマホ等を外で長時間使いたい場合に、モバイルWi-Fiルータを用いるときがありますが、モバイルWi-Fiルータの
インターネット接続側が5Gで、パソコンなどに繋ぐ側がWi-Fi6であれば、
スピードの親和性がある=あまりスピードが落ちることなくインターネット接続が
出来るという利点があります。

Wi-Fi6対応の製品は?

既にWi-Fi6対応のWi-Fiルータが日本ではNEC、エレコムなどから発売されています。
今後ますます増えてくると思います。その場合、端末側もWi-Fi6対応でないと意味が無いですね。Wi-Fi6対応のパソコンも出てきていますので、2021年以降はWi-Fi6がどんどん普及していくことでしょう。

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